夏の八ヶ岳良い思い出はない生まれて初めての夏合宿では連日30 kg を超える荷物を背負わされ黙々と歩いた。
景色など何一つ覚えていない1日の行程を終え夕食だけが取り柄の白米を山盛りにされテントの外で塩谷タバスコを振りかけて食った。
日が暮れても食事は終わらない疲れ果て飯を食うことさえ苦痛だったオムロン食欲などない呼びかける声が聞こえたおーいおーい何度も繰り返される声に俺は顔を上げた。
どこから声が来るのか見回してもわからない周りに尋ねたが誰にも声は聞こえていない。
その間も俺は声を聞き続けていたついに顧問の一人が立ち上がった俺のそばまで来て腰を下ろした。
こんな時はな無視するんだ彼にも声は聞こえているらしい他の誰にも届かない声を自分だけ聞いた経験はこれまでにもあったという呼んでるんだよだからこそ無視しろと教えられた。
うまく言えないが生きている人間の声と違うだろお前も聞こえるやつだったか止めるなよと付け加え顧問は離れた。